シェーグレン症候群と診断され、なかなか厳しい症状と向き合っている皆さん。
「ドライアイや口腔乾燥を何とかしたい」
「体の不調を少しでも改善したい」
そう思って、様々な情報を探しているのではないでしょうか。
今回は、そんな皆さんに向けて、シェーグレン症候群と深い関係がある「腸」、そして、腸内環境を整える上で重要な役割を果たす「亜鉛」と「乳酸菌」の関係について、わかりやすく解説したいと思います。
なぜ「腸」が大切なの?自己免疫疾患と腸内環境の意外な関係
シェーグレン症候群は、自分の免疫細胞が涙腺や唾液腺を攻撃してしまう「自己免疫疾患」です。実は、この自己免疫疾患と、私たちの腸内環境(腸内フローラ)には密接な関係があることが、近年の研究でわかってきています。
私たちの体の免疫細胞の約7割は、腸に集まっています。腸内フローラのバランスが崩れると、免疫システムに異常が起こり、自己免疫疾患の発症や症状の悪化につながる可能性があると考えられています。
腸内環境を整える「乳酸菌」と、それを助ける「亜鉛」
腸内環境を整えるためには、発酵食品などに含まれる「乳酸菌」を増やすことが有効です。乳酸菌は、腸内で有害な菌の増殖を抑え、免疫システムを正常に保つために欠かせない「短鎖脂肪酸」という物質を作り出してくれます。
これは別の記事でも紹介しましたが、さらに、この乳酸菌の働きを助ける重要なミネラルである「亜鉛」についてご紹介したいと思います。
亜鉛には、こんな働きがあります。
- 免疫機能の正常化:亜鉛は、免疫細胞が正しく働くために不可欠な栄養素です。不足すると免疫機能が低下し、自己免疫反応が起こりやすくなる可能性があります。
- 腸のバリア機能を強化:腸の細胞同士をしっかり結びつける「タイトジャンクション」という部分を丈夫にします。これにより、有害物質が体内に侵入するのを防ぎ、全身の炎症を抑える効果が期待できます。
- 乳酸菌の活動をサポート:亜鉛は、乳酸菌が代謝活動を行うための酵素の働きを助けます。亜鉛が不足すると、乳酸菌は十分な働きができず、増殖しにくくなってしまいます。
つまり、シェーグレン症候群のあなたが、乳酸菌を効果的に増やすためには、乳酸菌そのものを摂るだけでなく、その働きをサポートする亜鉛も一緒に摂ることが理論的に理にかなっている、というわけです。
毎日の食事で亜鉛を美味しく取り入れよう!
亜鉛は、特別な食品でなくても、日々の食事から美味しく摂取することができます。
- 牡蠣: 亜鉛の含有量がトップクラスです。
- 肉類: 牛肉(特に赤身)、豚肉などに多く含まれます。
- 卵: 卵も含有量が比較的多めです。
- 魚介類: ホタテ、ウナギ、カニなど。
- 種実類: かぼちゃの種、アーモンド、カシューナッツなど。
- 豆類: 納豆や豆腐など。
これらの食品を日々の食事にバランス良く取り入れてみてください。
私は亜鉛については、一応サプリは買ってはいるものの、サプリの飲み過ぎは肝臓に負担をかけるので、できるだけ食品から取り入れるようにしています。
食事療法はあくまで治療の補助的なものです。シェーグレン症候群の治療の中心は、主治医の先生との相談の上で進める医療です。新しいことを試す際は、必ず主治医や管理栄養士に相談するようにしてくださいね。
最後に
シェーグレン症候群と向き合う道のりは、決して一人ではありません。日々の小さな工夫が、あなたの体を少しずつ良い方向へ導いてくれるはずです。
腸内環境を整えるという新しい視点から、体の内側からのケアを始めてみませんか?
この記事が、あなたの毎日に少しでも役立つことを願っています。
ご参考情報
サプリで救急対応をするのは乳酸菌が良いと私は思っていますので、私が飲んでいる乳酸菌のサプリを改めてご紹介しておきます。