シェーグレン症候群の症状の一つである関節炎の痛みは、日常生活の質を大きく低下させることがあります。しかし、痛みと上手に付き合い、心身をリラックスさせる方法は存在します。今回は、その中でも特に「認知行動療法」に焦点を当ててご紹介したいと思います。
認知行動療法とは?
認知行動療法は、私たちが抱く「認知(物事の捉え方や考え方)」と「行動」に焦点を当て、それらを変化させることで、心の状態や体の反応を改善していく心理療法の一つです。
慢性的な痛みを抱えていると、「痛いから何もできない」「痛みがひどくなったらどうしよう」といった否定的な考えに陥りがちです。こうした考えは、さらに痛みを強く感じさせたり、気分を落ち込ませたりする悪循環を生み出してしまいます。
認知行動療法では、この悪循環を断ち切り、痛みに過剰に反応しないような考え方や行動パターンを身につけることを目指します。
認知行動療法の具体的な実践方法
1. 痛みの記録をつける
まずは、ご自身の痛みのパターンを客観的に把握することから始めます。
痛みの記録表
日付 | 痛みのレベル (10段階評価) | 痛みを強く感じた時間帯 | 痛みのきっかけ (行動や状況) | その時の感情や考え | 痛みを和らげるためにやったこと |
例:8/6 | 5 | 午前7時頃 | 朝起きた時から手首に痛みがあった | 「今日は営業で外出するのに痛いのか…」と切なさを感じた | 朝から痛いところにお灸を据えてみた |
このように記録をつけることで、「どんな時に、どんな痛みが、どのくらい現れるのか」、そして「その時、自分はどんな風に感じ、どう考えたのか」を可視化できます。
ちなみにこれは私の今朝の状況ですw
2. 否定的な「認知」に気づく
記録を振り返り、「その時の感情や考え」の欄に注目してみましょう。そこには、以下のような否定的な考えがあるかもしれません。
- 「痛みのせいで、人生が台無しだ」
- 「この痛みは一生続く」
- 「痛みを感じると、何もかもうまくいかない」
こうした考えが、痛みをより強く感じさせている可能性があります。
また痛みが続くとセロトニンが消費されるせいで、希死念慮(「死にたい」という思いを指しますが、必ずしも直接的に死を希望しているとは限らず、 中には「楽になりたい」、「ずっと何もせず眠っていたい」、「消えてなくなりたい」という間接的な思考内容も含まれます。)が生まれやすくなります。私も関節痛がひどかった時期は、解決策を求めてスイスに行って安楽⚪︎ができないか前向きに検討したこともありました。
痛みがひどい場合は病院処方の痛み止めを飲むのが一番楽だと思います。
個人的には、痛み止めをあまり飲みたくなかったのでがまんしていたのですが、私のように希死念慮が出てしまうような時は、GABAを飲むことをおすすめします。GABAはこの記事の一番最後に私が飲んでいるものを参考までに掲載しておきますね。
3. 別の「認知」を探す
次に、先ほどの否定的な考えを、より現実的で建設的な考えに置き換えてみましょう。
考え方の変換例
- 否定的な考え: 「痛みのせいで、人生が台無しだ」
- 別の考え: 「痛みがあっても、できることはある。今日は読書をしてみよう」
- 否定的な考え: 「この痛みは一生続く」
- 別の考え: 「痛みの強さは日々変動する。昨日は少し楽だった。今日も無理のない範囲で過ごそう」
- 否定的な考え: 「痛みを感じると、何もかもうまくいかない」
- 別の考え: 「痛みがあっても、少しずつならできることがある。休憩を挟みながらやれば大丈夫」
このように、自分の考え方のクセに気づき、少しずつでも前向きな捉え方に変えていく練習をすることが大切です。
最後に
認知行動療法は、すぐに効果が出るものではなく、継続的に取り組むことで少しずつ変化を実感できるものです。無理なく、ご自身のペースで試してみてください。そして、痛みが強い時や、不安が募る時は、処方されている痛み止めや、GABAを飲んでみる、また必要に応じて一人で抱え込まずに主治医や専門家へ相談してもらえればと思います。