シェーグレン症候群は、免疫が正常な細胞を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。近年、この自己免疫疾患と腸内環境の密接な関係が注目されています。
腸内には、免疫細胞の約7割が存在すると言われており、腸内環境が乱れると免疫バランスが崩れやすくなります。一般的な砂糖(ショ糖)は、腸内の悪玉菌を増やす原因の一つとなることがあり、腸内環境の悪化を招く可能性があります。腸内環境の悪化は、全身の炎症反応にもつながる可能性があるため、全身の健康を考える上で、腸内環境を整えることが非常に重要になります。
また、シェーグレン症候群の症状として現れる口腔乾燥は、唾液の減少によって口腔内の細菌バランスを崩し、歯周病や虫歯のリスクを高めます。
そこで、甘味料を選ぶ際には、単に甘さを楽しむだけでなく、「腸内環境に良い影響を与えるか」という視点を持つことがシェーグレン症候群の方にとって大切です。この記事では、腸内環境を整える作用のあるお砂糖3つを比較し、シェーグレン症候群の方におすすめの選び方をご紹介します。
併せて私が使っているものも各欄でご紹介します。
各甘味料の特徴
1. フラクトオリゴ糖
- 特徴:
- 消化吸収されにくい糖で、ほとんどが腸まで届き、腸内細菌の餌(プレバイオティクス)となります。
- 砂糖の約半分程度のカロリーで、甘さも控えめです。
- 虫歯菌の餌になりにくく、酸を作りにくいため、虫歯リスクを抑えられます。
- 液体のものを使えば、冷たい飲み物でもさっと溶けて使いやすいです。
- シェーグレン症候群の人にとってのメリット:
- 口腔内の環境を悪化させることなく甘さを楽しめます。
- 腸内環境を整える効果があり、全身の免疫機能のサポートにもつながります。
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2. 甜菜糖(ビート糖)
- 特徴:
- 砂糖大根(甜菜)から作られる天然の甘味料です。
- オリゴ糖(ラフィノース、ケストースなど)を多く含み、腸内環境を整える働きがあります。
- 体を温める作用があると言われています。
- シェーグレン症候群の人にとってのメリット:
- オリゴ糖が含まれているため、腸内環境の改善に役立ちます。
- 粒状で使いやすく、料理や飲み物など幅広く使えます。
- 注意点:
- 主成分はショ糖であり、一般的な砂糖と同様に虫歯菌の餌になりやすいため、摂取後の口腔ケアが特に重要です。
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3. アガベシロップ
- 特徴:
- アガベという植物から抽出されるシロップで、主成分は果糖です。
- GI値(血糖値の上昇度合い)が非常に低く、血糖値のコントロールに配慮したい方におすすめです。
- 一部の製品には、腸内環境を整えるイヌリンが含まれています。
- 液体で溶けやすく、冷たい飲み物にも使いやすいです。
- 甘みが強いです。
- シェーグレン症候群の人にとってのメリット:
- 虫歯菌が利用しにくい果糖が主成分であるため、虫歯リスクを抑えることが期待できます。
- 液体なので、口の中でサッと溶けて口腔内に長く残りにくいのも利点です。
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おすすめの砂糖
シェーグレン症候群の方にとって、最も重要なのは口腔内の環境を良好に保つことです。この観点から、アガベシロップとフラクトオリゴ糖が特におすすめです。
- 総合的なおすすめ: アガベシロップ
- 理由: 虫歯菌の餌になりにくく、GI値が低いため血糖値への影響も穏やかです。また、イヌリンを含む製品を選べば、腸活も同時にできます。液状であるため、口の中にまとわりつく感じが少なく、飲み込みやすいという点もメリットです。
- 腸内環境改善を特に重視するなら: フラクトオリゴ糖
- 理由: ほとんどが腸まで届き、善玉菌の増殖を助けるプレバイオティクスとしての働きが強力です。ただし、甘味は控えめなので、甘さをしっかり楽しみたい方には物足りなく感じるかもしれません。
- 料理の甘味料として幅広く使いたいなら: 甜菜糖
- 理由: 砂糖と同じように使え、オリゴ糖による腸活効果も期待できます。体を温めますので、私のようにレイノー症候群が出て体が冷えている方にはおすすめです。ただし、虫歯リスクを避けるため、摂取後はうがいや歯磨きを徹底するなどの注意が必要です。
結論
シェーグレン症候群という全体論でいうと、口腔環境の観点から虫歯リスクの低い「アガベシロップ」が最もおすすめですが、ご自身の症状にあわせて選んでいただのがベストだと思います。
ただし、どれを選ぶにしても、過剰摂取は避けることが大切です。適量を守って、おいしく健康的な食生活を送りましょう。