難病と診断されたら知っておきたい!日本の医療費助成制度と給付金について

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こんにちは!今回は、私自身が罹患しているシェーグレン症候群もそうですが、こういった難病と診断された方が、ぜひ知っておいてほしい医療費助成制度についてお話ししたいと思います。

病気を抱える中で、医療費の負担は大きな心配事の一つですよね。しかし、日本には、国や自治体が医療費の一部を助成してくれる制度があります。認定されれば医療費が安くなる(自治体によっては難病の支払分については無料になることもありますので)適切な情報を得て、活用することで、少しでも安心して治療を続けられるようにしましょう。

私自身は比較的軽度(軽度でも十分大変でしたけど!)で、現在に至っては、ほぼ寛解してしまったので給付金の申請はしていませんが、認定を受けられるような症状がある方は申請されることをおすすめします。

「指定難病」とは?

まず、日本の医療費助成制度を語る上で欠かせないのが「指定難病」という言葉です。これは、厚生労働大臣が定める、以下の4つの条件をすべて満たす病気のことを指します。

  1. 原因不明:病気の原因がまだ解明されていないこと。
  2. 治療方法が未確立:効果的な治療法がまだ確立されていないこと。
  3. 希少性:患者数が少なく、珍しい病気であること(日本では人口の0.1%程度が目安)。
  4. 長期にわたる療養が必要:病気が慢性的に進行し、長期的な治療やケアが必要であること。

そして、これらの条件を満たし、さらに客観的な診断基準が確立している疾患が「指定難病」としてリストアップされています。現在、300以上の疾患が指定されており、シェーグレン症候群や間質性肺炎(特発性間質性肺炎など一部)は、この指定難病に含まれています。残念ながら、レイノー症候群単独では指定難病ではありませんが、全身性強皮症などの指定難病に伴って発症している場合は、その指定難病の対象となることがあります。

「特定医療費(指定難病)助成制度」とは?

「指定難病」と診断された方が利用できるのが、「特定医療費(指定難病)助成制度」です。これは、指定難病の治療にかかる医療費の自己負担額を軽減してくれる制度で、「難病法」(難病の患者に対する医療等に関する法律)に基づいて運用されています。

この制度を利用すると、通常の医療保険(3割負担など)の自己負担割合が原則2割に軽減され、さらに、月ごとの医療費の自己負担額に上限が設けられます。この上限額は、世帯の所得状況や、高額な医療費が長期にわたって続く「高額かつ長期」に該当するかどうかによって異なります。

助成の対象となるには?

この制度の対象となるには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

  1. 重症度分類を満たす場合:各指定難病ごとに定められた「重症度分類」に照らし合わせて、病状が一定程度以上であると認定される場合。
  2. 軽症高額該当の場合:重症度分類を満たさない場合でも、申請月以前の12か月以内に、医療費の総額が33,330円を超える月が3回以上ある場合。(自己負担額にすると約1万円を超える月が3回以上、が目安です)

シェーグレン症候群や間質性肺炎も、これらの基準を満たせば助成の対象となります。特に間質性肺炎は、肺病変の活動性によって重症度が判断されやすく、比較的「重症」に分類されやすい傾向があるようです。

申請から認定までの流れ

  1. 難病指定医の受診・診断書(臨床調査個人票)の作成:お住まいの都道府県や指定都市が指定した「難病指定医療機関」の「難病指定医」を受診し、指定難病であることの診断を受け、制度申請に必要な「臨床調査個人票(診断書)」を作成してもらいます。
  2. 必要書類の準備:診断書に加え、支給認定申請書、住民票、世帯全員の所得を確認できる書類、保険証の写しなど、多くの書類が必要になります。マイナンバーを利用することで一部省略できる場合もあります。
  3. 窓口での申請:お住まいの都道府県や指定都市の窓口(保健所など)に書類を提出します。
  4. 審査・医療受給者証の交付:提出された書類に基づいて審査が行われ、認定されれば「特定医療費(指定難病)受給者証」が交付されます。申請から交付までには、通常3ヶ月程度かかります。

【重要ポイント!】

医療受給者証が交付されるまでの間に、指定難病に関する治療でかかった医療費は、後から払い戻し請求ができる場合があります。また、助成は申請した月からさかのぼって適用されることがありますので、診断されたらできるだけ早く申請手続きを始めることが大切です。

その他、利用できる可能性のある制度

  • 高額療養費制度:指定難病の医療費助成制度と併用できる場合があります。医療費が自己負担上限額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。難病指定の対象外であっても、高額な医療費がかかる場合には利用できます。
  • 障害年金:病気やけがによって生活や仕事に支障が出た場合に受け取れる年金です。病状の程度によって対象となる場合があります。
  • 身体障害者手帳:間質性肺炎による呼吸機能障害など、病状によって身体障害者手帳の交付対象となる場合があります。手帳を持つことで、各種福祉サービスや公共料金の割引などが受けられることがあります。
  • 自立支援医療(更生医療):指定難病の治療で、精神疾患や腎臓機能障害などの特定の障害があり、継続的な通院治療が必要な場合に、医療費の自己負担が軽減される制度です。

最後に

これらの制度は、複雑に感じるかもしれませんが、適切に利用することで、経済的な負担を大きく軽減し、安心して治療に専念できる環境を整えることができます。

私自身も、これらの制度に助けられながら、日々の治療と向き合っています。ぜひ、かかりつけ医や病院の医療ソーシャルワーカー、またはお住まいの地域の保健所の窓口に相談して、ご自身の状況に合った制度を詳しく確認してみてください。

この情報が、同じ病気で悩む方々の助けになれば幸いです。