こんにちは、シェーグレン症候群と診断され、日々病気と向き合っていらっしゃる皆さん。この病気は、目や口の乾燥だけでなく、全身に様々な影響を及ぼすことがあります。今回は、シェーグレン症候群の患者さんが特に注意すべき合併症について、私自身の経験も交えながらお話ししたいと思います。
シェーグレン症候群が引き起こす多様な合併症
シェーグレン症候群は、自己免疫疾患の一つであり、体の免疫システムが全身の様々な臓器に炎症を引き起こす可能性があります。そのため、単なる乾燥症状にとどまらず、以下のような多様な合併症が起こり得ます。
特に注意したい二つの病気
- 間質性肺炎間質性肺炎は、肺の間質(肺胞と血管の間にある組織)に炎症や線維化が起こる病気です。シェーグレン症候群に伴って発症することがあり、特に進行すると呼吸機能が低下し、生活の質に大きな影響を及ぼします。
- シェーグレン症候群との関連性:シェーグレン症候群は、体の免疫システムが唾液腺や涙腺だけでなく、肺の間質にも誤って攻撃を仕掛けることで、間質性肺炎を引き起こすと考えられています。
- 症状:乾いた咳や息切れが主な症状です。初期は自覚症状がないことも多いため、定期的な検査で早期発見することが重要です。
- 悪性リンパ腫悪性リンパ腫は、リンパ球が癌化して増殖する病気です。シェーグレン症候群の患者さんは、一般の方に比べて悪性リンパ腫の発症リスクが高いことが知られています。
- シェーグレン症候群との関連性:シェーグレン症候群は、慢性的な自己免疫反応によってリンパ球が異常に増殖しやすい状態にあり、これが悪性リンパ腫の発症につながると考えられています。
- 症状:首や脇の下、鼠径部などのリンパ節の腫れ、発熱、体重減少、倦怠感などが挙げられます。
臓器に影響する合併症
- 腎障害:腎臓の尿細管に炎症が起こる「尿細管性アシドーシス」などを合併することがあります。
- シェーグレン症候群との関連性:免疫反応が腎臓の尿細管を攻撃することで、腎機能に影響を与えます。
- 症状:初期には症状がないことも多いですが、進行すると多尿、頻尿、筋力低下などが現れることがあります。
- 消化器系の異常:自己免疫性膵炎や自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎などを合併することがあります。
- シェーグレン症候群との関連性:全身にわたる自己免疫反応が、消化器系の臓器にも炎症を引き起こすことがあります。
- 症状:胃もたれや腹部の不快感、肝機能障害による全身の倦怠感や黄疸など、多岐にわたります。
- 甲状腺の異常:甲状腺機能低下症(橋本病)などを合併することがあります。
- シェーグレン症候群との関連性:シェーグレン症候群と同じく自己免疫疾患であるため、合併して発症するケースが少なくありません。
- 症状:甲状腺機能低下による全身の倦怠感、むくみ、寒がり、便秘などが挙げられます。
その他の合併症
- 関節痛・関節炎:関節の痛みや腫れを伴うことがあります。
- レイノー現象:寒さやストレスによって、手足の指先が白や紫色に変色する現象です。
- 皮膚症状:日光に当たると発疹が出る「光線過敏」、環状紅斑、血管炎による紫斑などが見られることがあります。
- 神経症状:手足のしびれや痛みなどの末梢神経炎を起こすことがあります。
私の体験談:KL-6値と鍼治療
私はシェーグレン症候群とほぼ同時に関節痛とレイノー現象が出ました。かかって直後は、前述に加えて甲状腺の異常(全身の倦怠感)の症状がありました。
現在も、怪しげなものとしては、皮膚症状(蝶形紅斑が疲れると出ます)、甲状腺の異常(むくみ、うかうかすると5日以上の便秘)、胃もたれ(胃カメラを飲むと、だいたい胃と食道部分の炎症を指摘)があります。怪しげなだけで、病的な感じはそれほどない症状かなと思います。
今年に入って、大学病院での血液検査で、血液検査で、間質性肺炎の指標であるKL-6(サーファクタントプロテイン-D)の値が継続的に基準値を超えていたことで、間質性肺炎の傾向があると診断されました。発症から悪化までが非常に早い病気だということで、不安な日々を過ごしていました。急に悪化すると色々伝え損なうかかもしれないと思い、念の為、エンディングノートまで書いてしまいました。
そんな中、私は鍼でKL-6の値が下がったという記事を見つけて、治療の一環としてその記事を書いている鍼灸院を試してみることにしました。最初は半信半疑でしたが、1ヶ月に1回、4度の鍼治療を続けたところ、なんとKL-6の値が標準値以下に下がりました。
もちろん、鍼治療の効果には個人差がありますし、医学的な根拠についてはまだ研究段階です。しかし、私にとっては、西洋医学の治療に加え、鍼という東洋医学のアプローチが心身のバランスを整え、病状の安定に役立ったと感じています。まだ下がったばかりなので、もう2、3ヶ月鍼治療は続けていこうと思いますが、鍼が合う体質で本当に有難いと思うばかりです。
最後に
シェーグレン症候群は、長期にわたる病気であり、不安を感じることも多いと思います。しかし、間質性肺炎や悪性リンパ腫をはじめとする合併症について正しく理解し、定期的な検査を怠らないことが大切です。
そして、私のように西洋医学と東洋医学の組み合わせを試してみるなど、ご自身に合った治療法やケア方法を探していくことも、病気と上手に付き合っていく上で一つのヒントになるかもしれません。
このブログが、シェーグレン症候群と向き合う皆さんの日々の生活の一助となれば幸いです。