今回は、手足の指が寒さで真っ白になったり、紫色になったりする「レイノー症候群」についてのお話です。特に、この症状がシェーグレン症候群をはじめとした膠原病(こうげんびょう)という病気の一環として現れている方に向けて、症状を和らげるための対策をまとめました。
1. 膠原病の治療が一番の近道
レイノー症候群には、原因がはっきりしない「原発性」と、別の病気によって引き起こされる「二次性」があります。膠原病が原因の場合は、この「二次性」にあたります。
つまり、レイノー症候群の症状を根本から良くするためには、原因となっている膠原病をきちんと治療することが一番重要です。自己判断で薬をやめたりせず、基本は主治医の先生の指示に従って、治療を続けましょう。膠原病の症状が落ち着けば、レイノー症候群も自然と改善していくことが期待できます。
2. 毎日の生活でできること
病気の治療と合わせて、日々の生活で気をつけることで、つらい発作の回数を減らすことができます。
・徹底した保温(空調管理)
レイノー症候群の最大の敵は「寒さ」です。冬はもちろんですが、夏でも冷房の効いた部屋では、手足が冷えないように手袋や靴下、レッグウォーマーなどを活用しましょう。水仕事をする際は、ぬるま湯を使い、ゴム手袋をするのがおすすめです。
私は、自宅の冷房は「健康冷房」という設定にしています。健康冷房とはエアコンの運転モードの一つで、冷えすぎを防ぎ、快適な温度と湿度を保ちながら、体に負担の少ない涼しさを提供する機能です。12時〜15時はちょっと暑いかな、という印象ですが、私の現在の状態としてはこの温度だとレイノー現象が出ないので助かっています。
・禁煙はマスト
タバコに含まれるニコチンには、血管をぎゅっと縮める作用があります。症状を悪化させる一番の原因なので、もしタバコを吸っている場合は、思い切ってやめることを強くおすすめします。
・ストレスを溜めない
精神的なストレスも血管を収縮させるきっかけになります。趣味の時間を持つ、ゆっくりお風呂に入るなど、リラックスできる時間を作って、ストレスを上手に管理しましょう。
・適度な運動を
軽い運動や、手足を優しく動かすストレッチは、血行を良くするのに役立ちます。無理のない範囲で、毎日の生活に取り入れてみてください。
冬は外気に触れるだけでレイノー現象が出ることがあるので、気温が高い今のうちにせっせとジムに通って血行を良くしようと試みています。昨年も頑張ってみましたが、冬場の症状が完全に出ない状態には持って行けませんでしたが、一昨年ほどのひどい状態からは脱せたようです。
3. 食事でできること
「この食べ物を食べれば治る!」という魔法のような食事療法はありません。しかし、血行を良くする効果が期待できる食品を意識して摂ることは、症状の緩和に間接的に役立ちます。
・体を温める食材
しょうが、唐辛子、にんにくなどのスパイスや、ねぎ、にらなどは、体を温める効果があると言われています。これらの食材を料理にプラスしてみましょう。
・血液サラサラ効果が期待できる食材
サバやイワシなどの青魚に含まれるDHA・EPAといった油や、オリーブオイル、亜麻仁油なども、血管の健康をサポートしてくれます。
・カフェインは控えめに
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、血管を収縮させる作用があります。症状がひどい時は、飲み過ぎに注意しましょう。
夏場の冷房対策について
夏場は、屋外の暑さとの気温差が大きくなるため、かえって注意が必要です。
私は症状がひどい時は、買い物(特に食料品)などに出かけると、お店を出入りするたびにレイノー現象に襲われることもありました。
- 冷房が効きすぎた場所では:オフィスやスーパーなど、冷房が強い場所ではカーディガンや薄手のブランケットを常に携帯しましょう。
- 肌の露出を減らす:薄手の長袖シャツやパンツを履く、冷えやすい首元にストールを巻くなど、直接冷気が当たらないように工夫するだけでも効果があります。
- 冷たい飲み物を飲みすぎない:キンキンに冷えた飲み物は、体を内側から冷やしてしまいます。できるだけ常温の飲み物を選ぶか、温かい飲み物を摂るように意識しましょう。
レイノー症候群は、寒い時期や冷たいものに触れた時に、突然発作が起きてしまうと不安になりますよね。しかし、原因である膠原病の治療をしっかりと行い、日々の生活でできることを少しずつ取り入れることで、症状と上手に付き合っていくことができます。
もしご自身のレイノー症候群が二次性なのかどうか分からない場合は、一度かかりつけ医に相談してみましょう。