シェーグレン症候群の二次症状として、皮膚の乾燥やそれに伴うかゆみ、虫刺されのような症状が出る方もいらっしゃるのではないでしょうか?シェーグレン症候群では、乾燥が全身に及ぶため、皮膚もデリケートになりがちです。
今日は、医師への相談を前提としつつ、日常生活でできる「乾燥による皮膚炎・かゆみ」への具体的なセルフケア法を紹介していきたいと思います。
1. なぜ皮膚炎が起きるの?メカニズムを知ろう
シェーグレン症候群では、目の乾きや口の乾きだけでなく、全身の皮膚も乾燥しやすくなります。
- 皮膚のバリア機能低下: 乾燥が進むと、皮膚の一番外側にある「バリア」が壊れやすくなります。
- 刺激に敏感に: バリアが壊れると、普段は何でもないような衣服の摩擦、汗、ホコリなどが刺激となり、すぐに炎症(湿疹)やかゆみを引き起こします。
- 「虫刺され」のような発疹: 刺激でできた小さな湿疹を掻き壊すと、赤く盛り上がり、まるで虫に刺されたような跡になってしまうことがあります。
2. 炎症を鎮める!かゆみ・湿疹が出た時の「緊急対処法」
激しいかゆみが出たときは、当たり前ですが、頑張ってまず「掻かないこと」が最優先です。掻くと炎症が悪化し、傷になって治りが遅くなります。
| 対処法 | ポイント |
| 冷やす | 濡らした清潔なタオルや保冷剤(タオルで包む)で患部を冷やします。冷やすことでかゆみの感覚が一時的に鈍くなり、掻くのを防げます。 |
| 市販薬の活用 | 医師の診察を待つ間、かゆみ止め(抗ヒスタミン成分配合)の塗り薬を試しても良いでしょう。ただし、悪化する場合はすぐに使用を中止してください。 |
| 爪を短く | 無意識に掻いてしまうことを防ぐため、普段から爪を短く整えておきましょう。 |
| 患部を清潔に | 汗や汚れが刺激になることがあります。患部を優しく洗い、清潔に保ちましょう。 |
少し流れは違いますが、炎症っぽい症状の時は、ターメリック(ウコン)のお茶やゴールデンミルクを飲むと、半日ぐらいですっかりおさまったりします。
3. 乾燥を防ぐ!毎日の「保湿ケア」の極意
皮膚炎の根本的な予防は、徹底した保湿によるバリア機能の回復です。
- お風呂上がり5分が勝負
- 入浴後の皮膚は水分が蒸発しやすく、最も乾燥します。タオルで水気を軽く拭き取ったら、5分以内に全身に保湿剤を塗りましょう。
- 「ワセリン」や「ヘパリン類似物質」を活用
- 保湿剤は、高保湿タイプや、皮膚の水分保持を助けるヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)配合のものがおすすめです。乾燥がひどい部分には、保護力の高いワセリンを重ね塗りしましょう。
- *特に乾燥がひどい方は、医師に相談して処方してもらうのが最も効果的です。
- 衣類は「綿100%」を意識
- ウールや化学繊維は刺激になりやすいです。直接肌に触れる下着やパジャマは、**刺激の少ない綿(コットン)100%**など、天然素材のものを選びましょう。
私は乾燥に鈍感で、表皮がかゆくなったり白く皮膚が盛り上がったりした時に、初めて乾燥していたんだな、と気づくことが多いです。表皮に症状が出たら、ヘパリン類似物質のクリームを塗るようにしています。これで大体おさまってくれます。
4. 日常でできる「刺激を避ける」工夫
皮膚への小さな刺激が、かゆみの引き金になります。
- 熱いお湯は避ける
- 熱いお風呂は気持ちが良いですが、皮膚の天然の保湿成分まで洗い流してしまいます。ぬるめの温度(38〜40℃程度)で入浴しましょう。
- 洗浄剤は「低刺激」に
- 体を洗う際は、石鹸やボディソープを泡立てて使い、ごしごし擦らず手のひらで優しく洗います。洗浄力が強すぎない低刺激性のものを選びましょう。
- 室内の加湿
- 目や口の乾燥対策と同じく、室内の乾燥も皮膚の乾燥につながります。加湿器を使い、適度な湿度(50〜60%)を保ちましょう。
💡医師への相談を忘れずに
ご紹介した対処法は、あくまで日常生活で症状を和らげるためのセルフケアです。
- 症状が治らない、悪化する
- かゆみで夜眠れない
- 発疹が環状紅斑のように広がる
このような場合は、必ずリウマチ・膠原病内科または皮膚科を受診し、ご自身の皮膚症状がシェーグレン症候群の腺外症状なのか、単なる乾燥によるものなのかを含めて専門医に相談してください。
病気とうまく付き合っていくためにも、皮膚のサインを見逃さないようにしましょう。
ご参考までにヘパリン類似物質とゴールデンミルクティのリンクをこちらに貼っておきますね。
ヘパリン類似物質は病院で処方されている方がほとんどかとは思いますが。
ターメリックティはニキビっぽい炎症が起きた時も、私はとってもよく効きます。
みなさんの参考になれば嬉しいです!
