シェーグレン症候群と腸内環境の関係:今日からできる腸活で症状を和らげるヒント

食事

今日は、シェーグレン症候群と、一見関係がなさそうに思える「腸内環境」との間の、重要なつながりについてお話ししたいと思います。

シェーグレン症候群は、免疫細胞が自分の体(特に唾液腺や涙腺)を攻撃してしまう自己免疫疾患です。口や目が乾くといったつらい症状に悩まされている方も多いかと思います。

実は近年、この自己免疫疾患と「腸内環境」との密接な関係性が、多くの研究で明らかになってきています。

学術的なエビデンスから見る、シェーグレン症候群と腸内細菌のつながり

私たちの腸の中には、数百種類、数十兆個もの細菌が住んでおり、「腸内フローラ」と呼ばれる複雑な生態系を形成しています。この腸内フローラは、消化や栄養吸収だけでなく、私たちの免疫システムとも深く関わっています。

シェーグレン症候群の患者さんと健常者の方の腸内フローラを比較した研究では、以下のような違いが報告されています。

  • 腸内細菌の多様性の低下: シェーグレン症候群の患者さんでは、腸内細菌の種類が健常者よりも少ない傾向が見られました。多様性が低い腸内フローラは、免疫系のバランスを崩しやすくすると考えられています。
  • 特定の細菌の増減: 例えば、酪酸を産生する「フィーカリバクテリウム」という善玉菌が減少し、炎症に関わる悪玉菌が増加しているという報告があります。酪酸は、腸の粘膜を健康に保ち、免疫細胞の働きを調整する重要な役割を担っています。この酪酸が減少すると、腸のバリア機能が低下し、炎症が起こりやすくなる可能性があります。
  • リーキーガット症候群との関連: 腸のバリア機能が低下し、本来吸収されるべきでない異物が体内に侵入してしまう状態を「リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)」と呼びます。いくつかの研究では、シェーグレン症候群の患者さんにおいて、このリーキーガットが起こりやすいことが示唆されています。異物が体内に入り込むことで、過剰な免疫反応が引き起こされ、自己免疫疾患の症状を悪化させる一因となる可能性が考えられています。

このように、シェーグレン症候群の病態には、腸内細菌のアンバランスが影響を与えている可能性があるのです。腸内環境を整えることは、症状の軽減につながる重要なアプローチの一つと言えるでしょう。

良い腸内細菌を育てるために、控えたい食品

では、具体的にどのような食生活を心がければ良いのでしょうか?

良い腸内細菌を育てるためには、善玉菌のエサとなるものを積極的に摂ること(発酵食品や食物繊維など)が大切です。同時に、悪玉菌が増えやすい、あるいは腸に負担をかける食品を控えることも重要です。

ここでは、腸内環境を荒らしやすいと考えられている食品をいくつかご紹介します。

1. 精製された糖質(白砂糖、果糖ブドウ糖液糖など)

白砂糖や加工食品に多く含まれる果糖ブドウ糖液糖は、悪玉菌のエサとなり、腸内で有害物質を産生する原因になります。また、血糖値を急激に上昇させるため、全身の炎症を引き起こす可能性も指摘されています。

お砂糖については、別の記事でおすすめのお砂糖を紹介していますので、そちらも読んでいただければと思います。簡単にお伝えすると、フラクトオリゴ糖や甜菜糖がおすすめです。参考までに私が使っているものをこの記事の最後にリンクをつけておきますので、興味がある方はご覧いただければと思います。

2. 人工甘味料

アスパルテームやスクラロースといった人工甘味料は、腸内細菌のバランスを崩し、多様性を低下させることが研究で示されています。これらはゼロカロリー飲料などに多く含まれているため、注意が必要です。

3. 添加物が多い加工食品

防腐剤や乳化剤、着色料などの食品添加物は、腸内細菌にダメージを与えたり、腸のバリア機能を弱めたりする可能性があります。できるだけシンプルな原材料でできている食品を選ぶように心がけましょう。

4. 過度なグルテン(小麦製品)

グルテンを多く含む小麦製品(パン、パスタ、うどんなど)は、一部の人にとって腸に炎症を引き起こす可能性があります。特にリーキーガットが疑われる場合は、一時的に摂取を控えてみるのも一つの方法です。

私は30代前半から小麦食品を摂ると太りやすいなぁと思っていたので、元々控えめでしたが、シェーグレンになってからは、より減らしています。どうしても食べたい時は全粒粉のものを食べています。全粒粉のパスタはご存知の方も多いと思いますが、ご参考までに私が食べているものをこのブログの最後にご紹介しておきますね。全粒粉であればご紹介のものでなくても良いのではないかと思ってはいますが。

5. 過度な動物性脂肪

肉の脂身などに含まれる動物性脂肪は、悪玉菌の増殖を促すことがわかっています。全く摂らない必要はありませんが、バランスの良い食事を心がけ、摂りすぎには注意しましょう。


シェーグレン症候群の症状と向き合うことは大変なことですが、食事は私たちが毎日できるセルフケアの一つです。これらの情報を参考に、無理のない範囲で少しずつ食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

私は買い物をするときは、成分表を読んで買い物するのですが、先日姪っ子と一緒にスーパーに行った時は、「おばちゃん、細かいね」と言われました。年齢とともに丁寧に生きないといけないんだよ、とお話ししたところでした。

もちろん、食事だけで病気が完治するわけではありません。治療と並行して腸活に取り組んでみてください。

皆さんの毎日が、少しでも快適になることを願っています。

私のお気に入り

お腹に優しいお砂糖はこちらです。フラクトオリゴ糖は腸まで届いて善玉菌のエサになってくれます。また甜菜糖にも天然のオリゴ糖が入っていて、善玉菌の働きを助けてくれます。

全粒粉のパスタはこちらです。精製された小麦はカンジダ菌(悪玉菌)のエサになってしまうので、精製されていない小麦粉がおすすめです。